模擬骨および新鮮凍結ブタを用いた手術手技ワークショップ開催記
更新日 2025.4.13
私の手元でだいぶ温めてしまいましたが、昨年10月に開催させていただきました手術手技ワークショップの報告です。
2024年10月27日 (日)に千葉大学医学部附属病院手術室にて、模擬骨および新鮮凍結ブタを用いた手術手技ワークショップを開催させていただきました。今回で3回目となります同ワークショップは、(1)今後脊椎脊髄班に合流する若手整形外科医の手術手技習得、(2)手術室整形外科担当看護師に脊椎脊髄手術の実際を経験してもらうことを目的に行っております。当日は模擬骨を用いた頚椎インストゥルメンテーション固定と、新鮮凍結ブタを用いた腰椎除圧術および硬膜切開と縫合術を行いました。インストゥルメンテーション手技は透視を利用しながら、各種頚椎スクリューの挿入手技と留意点について学びました。腰椎除圧術、硬膜縫合術は実際の手術を完全に模した形での手術手技実習となりました。毎年参加者からは大変有意義であったと高い評価をいただいております。
最後になりますが、本ワークショップ開催を快諾いただきました大鳥精司教授、長嶋健手術部部長、手術室看護師長に心より御礼申し上げます。講師役をお手伝いいただきました牧聡先生、ワークショップ資材を用意いただきましたJohnson&Johnson株式会社 (旧DePuy-Synthes株式会社)の皆様に厚く御礼申し上げます。
以下、参加者のコメントです。
看護師2年目で、今まであまり整形の器械出しについていなかったので、手術の流れや、実際にどのようなことを行っているのか、どんな点に注意しているのかを知ることができとても勉強になりました。画面越しに術野を見ただけではわからないことも教えていただけたので、今後脊椎の手術に入るのが楽しみになりました。(新保希梨看護師)
手術で実際に医師が行っていることを体験して、手術の難しさやリスク、器械の使用方法などを具体的に知ることができ学びに繋がった。まだあまり整形外科の手術に入っていなかったため、ドライバーやスクリューの扱い方やセッティング方法を理解できていなかったが、今回、器械の扱い方やセッティング方法を教えていただいたので、今後器械出しとして手術に入る際にとても役立つと感じた。自分で顕微鏡を見て器械を使用したり縫合したりすることが初めてだったので医師の凄さを実感できてとても有意義だった。(齋藤成美看護師)
腰椎除圧、硬膜縫合、スクリュー固定を実習させていただきました。実際の術野に非常に近い環境で、自身で手技を行いながらきめ細かいご指導をいただいて、コツや注意点を学ぶことができ、様々な疑問点を解決することができました。硬膜縫合はこれまで実臨床で経験する機会がありませんでしたが、この実習で脊髄を傷つけないように細心の注意を払いながら手技を行う難しさ、そして正確な操作が求められることを改めて痛感しました。スクリュー固定では、これまで経験したことのない挿入経路を学ぶことができました。一辺倒ではない幅広い知識と技術を身に着けておくことの重要性を再認識することができ今後のさらなる学びと研鑽に向けて強い意欲が湧いてきました。このような実習があれば今後もぜひ参加させていただき、経験を積み重ねていきたいと思います。(飯田大輔医師)